成長ホルモンの分泌促進や一酸化窒素増加効果などアルギニンには優れた効果があることが判明しており、サプリメントとしても非常に高い人気を誇っています。しかし、一口にアルギニンサプリと言っても、いくつかの種類があることはご存知ですか?アルギニンの種類毎の特徴についてご紹介しますので、アルギニンサプリ選びの参考にしてみて下さい。
アルギニンサプリの種類
アルギニンサプリにはいくつかの種類があります。種類があると言っても、アルギニン単体のサプリと吸収効率を高めるためにアルギニン分子に他の分子を結合させたサプリメントがあるだけです。
種類毎のアルギニンサプリの特徴をご紹介しますので、アルギニン選びの参考にしてみて下さい。
アルギニン(L-アルギニン)
最もベーシックなのがアルギニン(L-アルギニン)です。通常アルギニンサプリと言うとこれを指します。アルギニンかL-アルギニンと記載のあるサプリメントは、全てこの種類です。
また、アルギニンとL-アルギニンは表記の違いだけであり、中身は同じです。詳しくは以下の記事で詳しくご紹介していますので、参照ください。
ベーシックなアルギニンサプリの特徴としては、グラム単価の安さが挙げられます。何も手を加えられていない為、安価な価格で展開されています。アルギニンに関する研究や実験の多くがこのベーシックなアルギニンで行われているので、成長ホルモン増加や一酸化窒素生産増加効果などの優れた効果を得ることが可能です。
しかし、アルギニンは人体での吸収効率が非常に悪く、効果を実感するには大量の摂取が必要であり、効率が悪い点がデメリットです。特に一酸化窒素の効果を得ることは難しく、近年の研究では体内で一酸化窒素を大幅に増やす効果は難しいのではないかと考えられています。
ですので、特に筋肉増強を目的とする筋トレ愛好家の方には、以下の種類のアルギニンサプリをおすすめします。
アルギニンα-ケトグルタル酸(AAKG)
アルギニンα-ケトグルタル酸とは、アルギニン分子とα-ケトグルタル酸分子が結合した物質であり、体内の一酸化窒素生産量を増加させるために開発されたアルギニンの種類です。ベーシックなアルギニンよりも吸収効率に優れているのが特徴であり、近年ボディビルダーや筋トレ愛好家に人気のNOサプリのほとんどはこのアルギニンα-ケトグルタル酸が使用されています。
筋トレの効果を高める目的であれば、このアルギニンα-ケトグルタル酸(AAKG)がおすすめです。パンプを強くし、筋肉の成長を高める一酸化窒素量を増加させる効果が認められており、吸収効率においてもベーシックなアルギニンよりも優れています。
医療の現場でも使用されており、心臓手術中に十分な血流を確保するためにも使用されており、そのことからも効果と安全性が伺えます。重大な副作用や長期の摂取による悪影響も報告されておりませんので、安心して使用できるアルギニンの種類です。
アルギニン・ケトイソカプロン酸(AKIC)
アルギニン・ケトイソカプロン酸とは、アルギニン分子とケトイソカプロン酸分子が結合した物質であり、体内の一酸化窒素生産量を増加させるために開発されたアルギニンの種類です。アルギニンα-ケトグルタル酸(AAKG)と同様に、アルギニンの吸収効率を高めるために開発されたアルギニンであり、NOサプリに使用されています。
アルギニンα-ケトグルタル酸(AAKG)ほど一般的ではなく、アルギニン・ケトイソカプロン酸(AKIC)が単体で使われているNOサプリもほとんどありません。アルギニンα-ケトグルタル酸(AAKG)とアルギニン・ケトイソカプロン酸(AKIC)が両方入っているサプリが少数ある程度ですので、アルギニンサプリ選びではあまり気にしなくて良いかもしれません。
オルニチン・シトルリン
オルニチンとシトルリンはどちらもアルギニンと同じアミノ酸ですが、アルギニンとは異なります。どちらもアルギニンと密接に関わっているアミノ酸ですが、アルギニンの種類ではありませんのでご注意ください。
シトルリンの代謝物がアルギニン(同時にアルギニンも一部がシトルリンに再変換される)であり、アルギニンの代謝物がオルニチンです。オルニチンは成長ホルモン誘導体であり、アルギニン同様成長ホルモンの分泌を促進させる効果があります。また、シトルリンには体内の一酸化窒素合成を高める効果があり、それぞれアルギニンと同様の効果が期待できます。
これらは密接に関わり合っているアミノ酸であり、どれが良いという訳ではありません。吸収効率の側面から、アルギニンよりもオルニチンの方が良いという意見もありますが、主観としては疑問です。アルギニンの効果を狙ってサプリを摂取するのであれば、プラスアルファの効果を狙ってオルニチンとシトルリンの摂取を検討する程度で十分だと考えます。